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【IT コンサルタント・PM 向け】技術コンサルテーション提案~提供の進め方

技術コンサルの提案内容の作成、提案活動、コンサルの提供、コンサルの終了という、IT コンサルテーションの一連の流れについてお伝えします。これから技術コンサルを提供する IT コンサルタントや PM の方々に、参考にしていただければと思います。

課題のヒアリング

課題のヒアリングについては、何らかのかたちで自社へ相談を打診してきた見込み顧客との会話から始まることが多いでしょう。営業活動時に相談された、問い合わせフォーム、同業他社からの案件紹介など、様々なパターンがあるかと思います。

課題について相談を受けた場合、先方の状況を理解すべく課題のヒアリングを行います。ヒアリングでは、次の内容を確認していきます。

  1. 先方の考えている課題
  2. 先方の考えている課題に対する解決策(あれば)
  3. 先方の考えている解決策が実施できない理由(あれば)
  4. 解決までの期限(あれば)

提案内容の検討(および、提案内容に沿ったスケジュール作成)

課題ヒアリングで収集した情報を踏まえて、コンサルテーションの提案内容を検討していきます。提案内容の検討を行う際には、アサインできるメンバーのスキルや時間を考慮します。

先方の考える「解決策」は参考情報とするものの、本来あるべき解決の方法を導き出します。※ 先方が思い描いている解決方法とは異なる場合があることに注意します。

課題解決までの道筋が複数ある場合、先方の費用感が掴みづらい場合、提案内容は「松竹梅」の3レベルほどを用意しておき、先方に選んでもらいましょう。

提案内容の骨子

提案内容には、次の項目が踏まえられていると伝わりやすいです。

  1. 現状の課題
  2. 課題に対する解決策
  3. 解決策をブレイクダウンした実施メニュー
  4. メニュー実施のスケジュール
  5. 各メニューでの提供物(成果物)

メニューを実施するための WBS 作成

提案内容の検討時に、アサインできるメンバーの確保と、メンバーのスキルを勘案した WBS を作成します。提案内容に事前知識や経験が少ない領域がある場合、メンバーには事前に全体構成について説明しておくことで、事前準備を行うことができます。

提案活動

自社の営業チームや、営業管理を行う上司とともに提案することが多いと思います。ご自身で営業管理も担っている場合、ご自身が担当者となります。

提案活動では、検討した提案内容を先方に説明します。コンサルの Before/After を明確に説明するようにしましょう。過度に不安を煽るような提案は先方の抱く心象が良くないと思われますが、提案内容を実施しない場合のリスクについて、十分に説明するようにしましょう。

先方からフィードバックをもらい、提案内容のすり合わせをおこないます。

※ 提案内容の検討や提案活動は、費用をもらって実施する場合もあります。
※ 提案内容は、コンサルを受ける実務担当者にとっても、キャリアにプラスになるような、魅力的な知見の提供を心がけます。

コンサルの提供

提案内容について先方と合意が取れた後には、実際にコンサルの提供を開始します。まずはコンサルの全体像を顧客に説明するべくキックオフミーティングを行います。コンサル提供を通じて顧客に協力してほしい項目がある場合、このミーティングの中でその旨を伝えます。

  1. キックオフミーティングでは想定しているスケジュールを顧客に伝え、双方の宿題を明確化します。
  2. 次回以降のミーティングでは、提案内容に示したスケジュールでメニューを実施していきます。
  3. メニューによっては成果物の提供が生じることがあります。

※ 最近はミーティングをオンラインで実施する場合が増えてきています。オンラインミーティングの場合、ミーティングをレコーディングし、レコーディングファイルを提供することで、双方の「言った言わない」の回避や、不必要な議事録作成を回避することができます。有効活用しましょう。

コンサル提供後

当初提案したコンサルのメニューをすべて実施し、想定していたすべての知見提供を行い、コンサルを終えます。コンサル終了時には、顧客からのフィードバック、顧客へのフィードバック双方を行います。

顧客からのフィードバック

顧客からのフィードバックには、下記の観点で忌憚のない意見を教えてもらいましょう。

  1. 顧客企業として感じるコンサルの効果
  2. 担当者レベルでのコンサルを受けた率直な感想
  3. コンサルの費用、期間、知見の有用性など

適宜、アンケートフォームなどを利用し、効率的なフィードバック収集を行います。

顧客へのフィードバック

顧客へのフィードバックには、下記を踏まえるようにしましょう。

  1. コンサル全体としてどのような知見を提供したかの振り返り
  2. 顧客側の各担当者の活躍
  3. 今後顧客が取り組むべき領域の提示

社内向けの振り返り

また、社内向けの振り返りとして、次のことを踏まえてディスカッションを行います。また、記録として残しておきましょう。

  1. 今回のコンサルでうまくできたこと
  2. 今後改善に取り組むべきこと
  3. 今後のコンサル案件で気を付けること(今後はやらないことを含む)

さいごに

今回は IT コンサルタントや PM 向けの、技術コンサルテーション提案~コンサルテーション提供の一連の流れをご説明しました。参考にしていただければと思います!

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